【問】 難易度 ★★☆☆☆(ふつう)(配点20点)
A 社のオペレーターの離職率は、同業他社と比べて低水準を保っている。今後、その水準を維持していくために、賃金制度以外に、どのような具体的施策を講じるべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。
【資料】
①従業員数135 名(正規社員26 名、非正規社員109名)
➁本社の近隣に 100 名近いオペレーターからなるコールセンターを構えている。
③顧客に直接対応するコールセンターのオペレーター業務の離職率は、5 パーセント程度と業界の中では低水準である。
※目標処理時間 15分
(難しく感じた場合は、解答の写経or採点基準を組み立てるトレーニングにすぐ移行してOK)
【解答例】
A社は、優秀なオペレーターを対象にした表彰制度や、正社員登用制度を導入し、従業員の意欲向上を図る。教育制度の充実や、シフト制など、柔軟な勤務体系の導入を進めることで従業員満足度を高める。
【採点基準】(配点20点)
施策
表彰制度 4点
正社員登用制度 4点
教育制度の充実 4点
柔軟な勤務体系の導入 4点
期待効果
従業員満足度向上 2点
意欲向上 2点
別解
リーダー登用制度 4点
権限移譲 4点
モラール向上 2点
※本問では文章表現は特段重視しない。キーワードが入っていたかをチェックする。
【解説】
本問では、A 社のオペレーターの離職率を低水準に保つための施策について、賃金制度以外の視点で助言することが求められている。
賃金制度以外に、という制約から、①採用、➁配置、③評価、④教育の観点から解答を想定できると良かった。
本問は、資料からオペレータがどのような属性なのかを読み取れるとよかった。
資料には、オペレーターが非正規社員を中心に構成されていること、離職率が低水準であることが示唆されている。
また、非正規社員・再雇用制度など、多様な採用形態・従業員属性に対応できる、「働きやすい環境の整備(柔軟な勤務体系の導入)」の使い方もぜひ本問の処理を通じてっ体得していただきたい。
以下にレイヤーマップの知識を掲載する。
【組織・人事施策レイヤー】
➁配置
配置替え
③評価
目標管理制度
公平な評価基準の設定
成果を重視する評価基準の設定
表彰制度
リーダー登用制度
④報酬
成果主義的報酬制度
正社員登用制度
⑤教育
OJT・OFF-JT
大学や研究機関での研修への派遣
教育制度の充実
※ひとつの解答に、人事施策レイヤーのキーワードを複数込めるテクニックを紹介する。効率的にキーワードを盛り込むことを意識したい。
書き方→施策+施策+効果
フレーム A社は、〇〇や、△△を導入し、□□を達成する。
優秀なオペレーターを対象にした表彰制度や、正社員登用制度を導入し、従業員の意欲向上を図る。
教育制度の充実や、シフト制など、柔軟な勤務体系の導入を進めることで従業員満足度を高める。